食への飽くなき探求。

 シンガポールでもそうだったが、こちらにもMoving Saleという文化がある。引越しする人々が開催するフリマといえばいいだろうか。安く物が手に入るので、上手に使えばかなりお得である。
 今日のお買い物は、念願のコーヒーメーカーとトースター!
 仕事時代、毎朝必ず泥のようなコーヒーを飲んで死に体の状態から何とか起床しようと奮闘していた私*1にとって、コーヒーメーカーのない朝など存在しない。その上、トースターでホットドッグやベーグルサンドを焼きたい……という切実な野望があったのだ。とても嬉しい。
 取りに行く先は、マンハッタンの西側コロンビア大学の近く。
 本当に惚れ惚れするほどにきれいな大学だ。

 図書館。
 どこかの国立公園かと思うたたずまいの大学である。建物が荘厳で緑が美しく、その上芝生で寝っころがって本を読む人などもいる。いい感じの雰囲気だ。最近公園熱の高めの私はとても惹かれた。 
 さて、めでたくコーヒーメーカーとトースターもゲットしたので、帰りに日本人の多いEast Villageのラーメン屋に寄った。

 一風堂である。世界中どこにでもあるな、本当に。
 私は元々高田馬場付近を根城にしていた住人である。ラーメンや一風堂にはそこそこ語りたいこだわりがある。しかし、今悩むのは、ここを果たして他のラーメン屋と同じカテゴリに入れていいのかということだ。
 まず、店がとても綺麗だ。通路が広い席も広い。赤と黒でスタイリッシュにまとめられ、古木がアレンジされていたり思い切りのよいジャポニズム的要素が満載。その上、定番ラーメン白丸とともに豚の角煮を注文したら、
「はい、白丸とアンティパストの角煮ですね?」
 あんてぃぱすとって……うーむ。
 ほぼ、ラーメン屋としての本質を見失いつつないかとツッコミを入れかけたら

 食べかけ写真で申し訳ないが、冗談のように美味しかった。とろけすぎた。
 そしてラーメン。

 呆れるほどに美味。
 何というか……「うまうまーっo(≧∇≦o)(o≧∇≦)o」と踊っていい感じ。日本の一風堂と基本は同じなのだが、ものすごく洗練されておりしかも味に深みがある。スープが濃厚なのにあっさりしているという、いまいち語義矛盾を含みつつもスープ好きとしてはかなりな好評価。かなり女性の好きな味ではないだろうか。
 お値段13ドルと日本のほぼ倍の値段はするのだが、味が好みだったので何となく納得させられてしまう。煮玉子だけはあと1歩という感じがしないでもないが、それでも余りの味わいの日本らしさと美味しさにほのぼの癒された。
 食の充実した1日。あまりに「らしい」。

*1:不本意なことに、前の職場では朝に弱すぎる人としてものすごく名高かった。