問い合わせの件。

 関係各位より、「豚インフルエンザは大丈夫なの?」というお問い合わせを頂いている。本当にありがたい。
 「生きてる?」という問い合わせから、「豚フルのニュースを見るたびに、君を思い出すのー」という失礼なんだか優しさなんだかわからないギリギリな感じの質問まで様々だが、それでも余りに色々と頂いて思わず恐縮した。ありがたい(2度目)。
 心配ばかりかけても申し訳ないので、先にお知らせしておこう。
 えー、全くもって無事です。
 実は、本当にいいのかなぁと思うくらい、こちらではそれほど騒がれていない。
 もちろんニュース等にはしっかりなっており新聞で特集も組まれているが、英会話の先生も「そこまでシリアスではないよなー。でも、君たちの家族は『今すぐ帰って来い!』とか叫んでいるんじゃないの?」とニヤニヤと笑っている。
 地下鉄にもバスにも乗るのだが、誰ひとりとしてマスクをしている人を見たことがない。別の英語の先生曰く「マスク?あれをつけているのは中国系だけだよ。アジア人はアレの何がいいのかねー」だそうで、マスクの意味もわかってくれていない。
 こういうことで動じない方の私が、余りにも気にしなさすぎてはないかと思わずヤキモキしてしまうほどだ。
 この件で変化があったとすれば、私が「swine」という英単語を学んだことくらいだろうか。定番の英単語なのかもしれないが、実は私は今回はじめて知った。
 この「swine」、意味が「ブタ」。
 こちらでは「pig flu」とは言わず「swine flu」と呼ばれている。ブタといえばpigしか言えなかった私が、新しく学んだ英単語ひとつ。……いや、これだけ日本で騒がれている事件だし、もうちょっと他に学んでもいい気はするのだが。
 ちなみにこの件に関しての最高の猛者は、やはり我が母だと思われる。
 日本であれだけ危険が声高に叫ばれている中、彼女はちらりと呟いたそうだ。
 「豚インフルエンザの影響で、NYに行くのも安いんじゃないかな?」
 …………母ほどの発想の転換力を、私も是非持ちたい。