せちがらい現実。

 最近一番憤ったことは何だろうか。
 ニューヨークで生活をはじめて約6日。人種の坩堝であり、世界最先端の文化と経済をリードするこの街で私が最も憤ったことは、
 「ボックスティッシュが1箱3ドル19セント」
 であることはほぼ間違いない。

 元々物価が高いことは承知しており、スーパーに行くたびに幾分落ち込む。その上、やはり日本系の物を購入しようとすると当社比(?)3割程度は大抵に高い。
 最近探していたものに、洗濯物干しがあるのだがやはり日系スーパーでしか発見されなかった(10ドル81セントだった)。どうやってこの国の人は洗濯物を干しているのか。そもそも洗濯機が家の中になく、マンションの地下にランドリーコーナーがあるのだが、これは珍しくないシステムらしい。洗濯好きとしては謎が多すぎる。
 
 お金が羽をはやして飛んでいく現状に、
 「仕方ないよな…」
 と、つぶやきつつもやるせないことには変わらない。
 その上、ボックスティッシュが3ドル19セントだ。この微妙な1セントおまけ感が空虚感を増大させるだけでなく、何故複数個セットで売ってくれないのだろう、クリネッ○ス。食材の高さはある程度致し方ないにせよ、日用雑貨まで高いとは何事だ。クリ○ックスに罪はないが(全くもって!)、現状の象徴のようで思わず憤りをぶつけてみたのである。


 尚、このようなことを言っておきながら、私は買う時は結構思い切りよく金を使う。
 ボックスティッシュのみにネタの責任を負わせるわけにはいかないので、この6日間の生活で私が一番お金を使った時をもカミングアウトしよう。

 えー……「体重計」でした(28ドル90セント)。

 「30ドルは行ってないし!」
と内心ごまかしていたが、19ドル90セントの体重計があったにもかかわらずいい物を選ぼうとしてしまったのは乙女心ゆえと言えよう。

 体重に関しては、物価よりもせちがらいのだよ(遠い目)。