たまには料理の話。

 何故私の友人たちは、こぞって通過儀礼のように私が料理をしていることを疑うのか。私の日ごろの信用度が伺われる。たまに話題にしないとただでさえ「人妻臭がしない*1」といわれているのに、一層疑惑がたってしまう気がする。
 よって、たまにはちゃんと料理の話。
 今日は「いなりずし」を作ってみた。
 このいなりずし、初めて作ったのだが……何というか、なかなか『せちがらい料理』であることをしみじみと感じている。

 (一番手前が、何故かものすごく不恰好でお気に入り。)
 それっぽいのが出来上がったが……何がせちがらいって、ものすごく地道な作業の繰り返しだというのに、それがあまり結果として残らないということだ。人生の比喩だろうか、全く。
 丁寧に油揚げの口を開いて油抜きして諸々で煮含めて、その合間に寿司酢を合わせて具をあらみじんにして揚げの出汁で煮て……と色々と行程があるのだが、最後ちまちまと全て詰めてしまうわけだ。全ての努力は10枚の油揚げの中に。
 運動会のお弁当などでは定番で、私も母に小学校時代の運動会などで作ってもらったりしていたが、どうにもいまいち報われない料理な気がしてならない。
 何が悲しいって……

 (寿司飯inサラダボウル)
 寿司飯があまったので、このあまりでおむすびを握ったのだが、綺麗な彩りだったで余程美味しそうにできてしまったのだ。
 「ああ、やはり努力は報われるとは限らない」などと、いなりずしから人生訓を作りあげてしまいそうな勢いであった。
 しかし、非常に月並みだが、こうやっているとやはり「母のありがたみ」というものを痛感せざるを得ない。素直に頭が下がる今。
 ……だからと言って、実家に帰って自分がキッチンに果たして立つだろうかというと、かなり疑わしくはあるのだが(笑)。

*1:そもそも、この「人妻臭」という単語が、むしろ秀逸なのだが。