ハリケーンの襲来。

 さて、旦那殿が日本に旅立っている間、もうお一方我が家にお客様が来ました。
 NYにとっては1985年以来の災害ハリケーンとともに
 
 …………さすがです、お母さま


 ということで、NYに訪れるのは本当に珍しい自然災害ハリケーンアイリーン」を引き連れて(?)、我が家の生きたハリケーン(※褒め言葉です)こと母上が来米しておりました。
 母が我が家に到着した翌日にハリケーンが到来するという見事なスケジュール。
 よって、母が最初に体験したNYの時間は…「ハリケーンが来るということでワタワタしてスーパーに行列を為すニューヨーカーとともに食料品の買い出し」という訳のわからんものだった訳です。
 色々とお世話になりました。


 このハリケーン襲来に関しては、ご心配をおかけしたこともあり……非常に珍しかったNYの様子を書いてみようかなぁと思います。
 結果的に、多少強い雨が降ったようですし、NYの郊外では停電もあったようですが、私にも母にも我が家にもほとんど実害はなかったのです(ほぼ家でのんびり寝てました)。
 ただ、本当に驚いたのは……ハリケーンというものへのアメリカという国の対策です。
 ハリケーン「アイリーン」は土曜日の夜に到着の予報でした。
 金曜日の段階で、非常警報の発令。NYでも海辺や低地の住人に避難勧告が出されました。
 同時に、土曜日の昼から日曜の夜にかけて、一切のバスと電車の交通網の運行停止命令が出ました。交通網が動かないということは…美術館や博物館などの観光系名物もちろん休業。それとともに、小売り系のお店もほとんど閉店してしまいました。
 前述の通り、買い出しのために出かけたスーパーは大行列
 特に大手チェーン店ほど早めの対策をとったため、スタバやマック、衣料品系やデパート系は軒並み臨時閉店

(どのお店にもこういう張り紙がしてある)
 土曜日の午後から着々とお店は閉まり、それはハリケーンが去って晴天となった日曜日まで続きました。
 さて、我が家は一応マンハッタンの某所です。20〜30分歩きますが、一応五番街が我が家の徒歩圏内にあったりします。
 日曜日の午後、もう雨がやんでいたのでてくてく歩いてみたのですが……ほとんどのお店が完璧に閉まっている!!
 世界で最も混むだろう区域を散歩したのですが(セントラルパーク→五番街→アッパーイースト)、3時間歩いて3軒しか店が開いていなかったという奇跡。
 COACHは全てのディスプレイを撤去。
 一瞬どこだかわからないほどにがらんとした様子。

 五番街の超一等地にあるデパートBergdorf Goodmanは、全てのディスプレイ用の窓を板張りで補強


 ほとんどの店が閉店しており、ニューヨーカーと観光客らしき人々がどこにも行き場がなくひたすら歩き続けるという非常に謎な空間ができあがっていました。


 この謎の板張りの建物が、老舗デパートBloomingdale'sだと誰がわかるでしょう。(日本だと伊勢丹的な位置づけかな。普段は人と車でごったがえしている入り口なのです。)
 車がほとんど通りもしない、店の活気もない、ただ歩き続ける人々だけがいるマンハッタンの街並は、本当に不思議なゴーストタウンのようでした……。

 あとで色々な人の話を聞いたのですが、この厳重な対策はもちろんハリケーンの風雨対策もありますが。ハリケーンによる停電時の暴動対策も多少兼ねていたようです。
 先日ロンドンの暴動があった時に、「他人事ではない…」と顔を青くしてみていましたが。やはり、本当に他人事ではないシビアな事態だったようです。
 ハリケーンと台風という違いはあれど、自然災害への日本とアメリカの対策の違いが浮き彫りにされた感じである意味では非常にルト興味深い体験となりました。
 何事もなかったからこその安心感かもしれませんが、改めて国民性の差を考えさせられています。

 とりあえず………
 何よりも被害にあった方々の早期の復興をお祈り申し上げます。
 また、ご心配頂いた方々、本当にありがとうございました