【長文】黒い金曜日。

 11月の第4木曜日にある感謝祭の翌日、その金曜日のことをアメリカでは「ブラックフライデー」と言います。
 「ブラック」といえばどちらかというと暗いイメージですが、この日からクリスマスセールがはじまり各お店が「黒字」になるのでそう言われているようです。そんな黒字なはずの今日、私に訪れたブラックすぎる災難な出来事の話をさせて下さい。


 えーっと……財布をすられました……_| ̄|○


 ブラックフライデーの午後、やはり今日はショッピングデーかと、旦那殿と5番街を歩いていたのです。我が家から5番街まではバスですぐそこ。
 バスを降りて、よく行く小龍包屋に到着したところで、何故かポーチが開いており中に入っていた財布がないことに気づいた訳です。
 最初は落としたのだと思ったのですが……バスを降りた時点では財布は確かにあった訳で。
 そこから小龍包屋に到着するまで時間が約5分、歩いていた場所が5番街の一番人通りの多い大混雑していた通り、そして………後述するもう1つの理由によって、今ではすられた可能性が大きいと考えています。
 財布がないと気づいた瞬間、最近でかつてないほど狼狽
 うろたえまくった中、私の対処方法と得た教訓について以下、まとめておこうと思います。

1)財布に何が入っていたのか確認しましょう。
 現金は40ドル程度しか入っていなかったのですが、カード系がやばかった。非常に素晴らしくよくないことに、私は大事なものを財布にしまい込む癖があったのです。
・銀行のカード
・日本のクレジットカード付きキャッシュカード
・Learner's Permit(いわゆる仮免許証)
・Work Permit(労働許可証
・Social security card(数日前から偶然持っていた超重要社会保障番号
・保険用のカード
 …………正直、この段階で「詰んだ_| ̄|○」と思いました。

2)とりあえず、銀行のカードを止めましょう。
 徒歩圏内に自分の銀行であるChaseがあったので、狼狽しつつもそのまま銀行へゴー。
 この段階で「カード番号は不明(この国には通帳がないのです)」「身分証明はゼロ」という怪し過ぎる人物なのですが、持つべきものは英語のできる旦那殿!銀行の方にありとあらゆる角度から説明をして、とりあえず信用してもらいカードは停止してもらえました。一安心。
 日本のカードの方は、帰宅してから国際電話をかけて無事に停止。再発行でまた苦労するのですが、とりあえず問題なくこちらも被害なくカード停止ができました。

3)警察に被害届を出しにいきましょう。
 こういう場合は被害届を提出しなければならないということで、はじめてアメリカの警察へ行くことになりました。
 アメリカの警察は盗難に対しては余り真剣に対処してくれないということは聞いていたのですが、万が一という希望的観測もあります。家の近所の警察に行ったら管轄が違うとのことで、被害にあった5番街の近くの警察へと向かい直しました。
 そこでしばらく受付で待つように言われ「受付台帳」に書き込もうとしたところ、衝撃の事実に気づきます。

「他の日に比べて、今日だけやけに訪問者が多いなぁ……あ、日本人の名前もある。被害の内容は 『stolen or lost my wallet』!?」

 奇しくもその日本人男性は、私の財布がなくなった時間帯とほぼ同じ時間帯に警察に来ていました。
 同じ地区同じ時間帯に、同じ状況…………
 「落としたのかも」と平和ボケしていた頭の私でも思いました。
 あの時間あの場所は、スリの方々の活動時間だったのか……!?
 私はどう見ても日本人な外見上に、誰がどう見ても何かあっても咄嗟に対処できない妊婦です。買い物客で一番混雑している5番街の通りをとろとろと日本人の妊婦が歩いていたら、いいカモでしかなかったことでしょう。
 改めてその事実に気が付きどーーーーんと落ち込みました_| ̄|○
 さすがにクライシスマネジメント甘すぎただろう私!
 NYは結構安全だとは思っていましたが、それでも人種だけでなく体調的にもカモネギな状況である今、もう少し警戒すべきでした。
 最近、自分の「危機管理」について配慮したことがあったか、
 これはもうどう考えても…「甘すぎた」としか言いようがなさそうです。


 結構地の果てまで落ち込み、何かもう笑うしかできない状況下でちんまり受付で待っていたところ、もう1つのオチが。

 ……手錠をかけられた男性が3人連行されてきました。

 受付で待つ我々と同じ空間に、手錠をかけられた男性3人が連行。
 しかも何故かそこで取り調べ(正確に言うと荷物検査)がスタート。手錠をかけられた方を見るのも初めてですが、何故ココで荷物検査をと思うものの、どうにもならず。
 ひたすら受付の固い椅子で待ち続ける謎の時間が経過していきました。
 被害届が無事受理されたのは結局どれくらい待った後だったのか。何と言うか、本当に色々な意味で「ブラック」な1日だった気がしてなりません。

4)その後。
 心身ともに疲労困憊しつつも、何とか無事に私の災難すぎた1日は終わりました。
 現在はありとあらゆるカード系の再発行に頭を悩ませています。
 アメリカの銀行のカードはあと数日で何とか再発行できそう気配。
 厄介すぎた日本のカードの再発行は、み○ほ銀行の津○沼支店のおねーさんが素晴らしくしっかりされている方で、父と母の協力を得つつあと1ヶ月くらいで何とかなりそうなところまでこぎつけました(ちなみに、今回の件で三○東○UFJの表○道支店にも電話をしたのですが……こちらは最近では類を見ないほどのひどい電話対応でむしろ笑えるほどでした。近いうちに解約しそうな勢いです)。 
 一方で、もっと面倒なのは身分証明系のカードの再発行
 現在パスポート以外の身分証明がほぼ全滅。これは、長い目で対応していかないとどうにも難しいようです。
 あと住所がバレたら私にもなりすませるほどに身分証明系のカードが財布の中に揃ってしまっていたので、別の機関にも相談してみるつもりです。

 いずれにせよ、大事なのは……重要なものは財布に入れすぎない!ということでしょうか。カモであることを自覚する!というか危機管理について考える!ということとともに、本当に大きな教訓となりました。


 以上、長くなりましたが、ちゃんと記録をとっておくのも教訓かなと頑張りました。ブラックすぎた災難に付き合ってくれた旦那殿に心から感謝しつつ、本当に次はないようにできるかぎり気を配りたいと思います。
 コレを読んだ方々が、少しでも自分の安全管理を見直すきっかけになれば、いいかなと思ったりしております。
 おそまつさまでした。